事前相談は主に3か所
ガイドライン調査を活用しての工事に当たっては、主に下記3か所への事前相談はしておいたほうがよいです。現時点での既存図面、予定図面等を持参し、図面相談はできるような状態で臨めればベストですが、最低限意図が伝わるような情報があれば、まずは相談というのも良いかもしれません。
- 管轄の建築指導課
- 依頼をしたい指定確認検査機関
- 管轄の消防署
建築士、構造建築士の同席のもと相談を進めるほうが良いかと思います。
建築指導課
まずは、管轄の建築指導課に事前相談を申込、ガイドライン調査を利用して目的の改修工事を行う旨を相談します。民間の指定検査機関でできるガイドライン調査ではありますが、区町村で独自の項目を設けているケースや、方針がある場合もありますので、念のため確認に行きます。
弊社施工の事例では、エレベーター設置の目的とガイドライン調査の活用、耐震工事の想定を含めて、管轄の建築指導課に相談に行きました。
既存不適格の範囲や考え方、躯体など、その後の工事に大きく影響が、予算変動がありそうな(おそらく一般的に気になる部分)を確認したい目的もありましたが、基本的にはガイドライン調査を利用するようであれば、検査機関の判断に任せるという見解でした。
指定検査機関
実際にガイドライン調査をお願いする指定検査機関ですが、まずは概要の相談にて、受けてくれるかどうかからの相談になると思います。
受けてくれるかどうかもありますが、一旦見積もりをしていただけます。ガイドライン調査費用(躯体調査費用は別)として、当該建物の場合の概算見積もりを頂きます。
国土交通省のガイドライン調査の文章には、対応可能な指定検査機関の情報が記載されてはいるのですが、かならずしも、どこも受けてくれるとは限りません。何社かは回ることは想定しておいたほうが良いかもしれません。
見積を確認してからの発注とはなりますが、その前に事前相談等は受け付けてくれている機関は多いようです。弊社の事例では、1社目は断られ、2社目で受けてもらえました。
消防署
指定検査機関に相談に行った時にも促されますが、管轄の消防署にも事前相談は必要です。規模と内容によっては消防の管理対象外となる場合もあるのですが、建築と消防では法規において、建築基準法ではOKでも、消防法ではNGなどという場合もあります。
事前相談は予算の事前予測
事前相談の意味はいろいろとあります。
- 調査内容や施行範囲の認識が近いか(想定外の予算にならないか)
- 相談しながら進めているという事実と記録(議事録をとるなど)
- 他事例など参考情報が手に入る可能性(あくまで可能性ですが)
- その区町村独自のルールや調査項目などがないか
いろいろとあるのですが、やはり目的としては、ガイドライン調査を活用した目的の工事が円滑に進みそうか、決定的な障害が無いか、想定よりも予算がかかることになりそうか、または予算を想定するために調査や施行範囲(個所とその物量)が大きなところになると思います。
意匠
意匠に関しては、事前相談時点でどこまで踏み込んで確認できるかは微妙なところですが、概要説明と建物情報、地域等で、どのような制限がかかりそうか。また目的の工事を行うに当たり、どの範囲までが既存不適格が適用されそうかなどが知りたいところです。
実際にガイドライン調査が始まり、どこまで是正対象になるか=是正工事の内容と物量
正直これが、なるべく事前に把握しておきたいところです。ここに関わる見解のズレがないか、可能性がどのくらいの幅感があるかを探りたいところです。
躯体
ここが本当にポイントというか、当該建物をガイドライン調査するに当たり、躯体調査として、どこまでの範囲と箇所、数量の調査が必要になるか。調査の指定箇所によっては、そもそも調査自体が非現実的となってしまう場合もあります。
事前相談とは言っても、箇所によっては調査の現実性の観点から、建物の現状を説明し、過度過剰な検査にならないよう(現実的な個所で調査できるよう)話し合いを進める必要があります。ここは高度な専門知識&構造的な部分になるので、構造建築士含めた事前相談が望ましいです。
基本的には破壊検査になりますので、当然ながら、事前に調査個所の場所や数量を把握しておくことは、予算策定において非常に重要なポイントになってきます。
事例として下記のような、調査リストにて、概算の調査範囲の確認を指定検査機関との事前相談で感触を掴みつつ、今後の調査対象箇所及び費用の想定の参考としていきます。
当初の建築指導課との事前相談にて、指定検査機関に任せる旨の確認とれていました。ただ、それでも念のためとのことで、再度の訪問をして問題ないか確認してほしいと、指定検査機関から促されたことを記憶しています。
まとめ
1)ある程度概要と概要図画説明できるような情報がそろっていれば、管轄の役所(建築課)への事前相談御及び、利用を予定している指定民間機関にも事前相談に伺えます。その場合も、建築士、構造建築士の同席のもと相談を進めたほうが良いです。
2)ガイドライン調査においては、一般的には、国から指定された民間検査機関のほうで行えることになっています。ただ、管轄の役所によっては独自の検査項目を設けている場合もあるそうで、必ず事前相談には何回か顔を出したほうが良いそうです。
次回以降からは、第3章 意匠調査 として、具体的な調査内容に触れていければと思います。
次回に続く・・・
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