今回は飲食店を出店する時の工事の流れを紹介していきたいと思います。
将来、自分でお店を持つことのが目標の方や、新しく飲食店をオープンしようと思ってる方は是非参考にしていただけたらなと思います。
スケルトン物件?居抜き物件?メリットデメリットは?
まず初めに、物件を選ぶところからスタートしていくと思います。
ここでまずポイントとなってくるのが、
スケルトン物件か居抜き物件のどちらにするかです。
どちらもメリット・デメリットがあります。費用的にはスケルトンの方が高いイメージはありますが、後々のことを考えたり、使いやすいように自由に設計できるのは魅力的です。
居抜き物件は家具や厨房機器などをそのまま使うこともできるので、費用や工期を抑えることができます。その一方で、自分らしいお店でしたり、何か追加で工事をするのにも壁の中や天井がどうなっているか分からないために、壊してみないと分からないなど、意外と融通が効きづらいケースがあります。
それを理解した上で、選ばれた方がいいと思います。
詳しくはこちら⇨飲食店出店で気をつけること
施工会社・設計事務所の選定するポイント
実際のお店が決まったら、次に工事をお願いする施工会社や設計事務所を選定していきます。
ここで選定するポイントとしましては、自分がやりたいお店のコンセプトを理解できる会社かどうかかと思います。お店を開かれる上で、まずは料理のジャンルやコンセプトがあると思います。内装のこだわりや趣味もあると思います。一概に飲食店実績があればいいと言うわけではありません。焼肉屋さんをオープンしたいのに、飲食店の実績はあるけど焼肉屋をやったことがない施工会社や設計事務所では、レイアウトやデザインは良くても、利便性や仕事の効率がいい店舗が作れるかわかりません。出来れば希望のジャンルの経験があるかどうかも選ぶポイントに入れてもいいかもしれません。
もちろん、実績がなくてもしっかり打ち合わせをしてコンセプトの共有ができればいいお店は作れると思います。
解体工事から先行配管・先行排水工事へ
今回はスケルトン工事をベースに説明していきますが、スケルトン状態であっても解体工事は出てきますし、居抜き物件から解体を行うケースもあると思います。電気の配線を変えたり、排水の経路を変えたりと計画すると、壁を壊したり・床を剥ぐ工事もあります。完了したら壁や床・天井に埋まってしまう配線をやっていく作業になります。
厨房工事
解体が終わったら厨房内の工事に進んでいきます。通常、厨房内は防水工事が行われます。やはり飲食店ですと、料理をすると床に油でしたり、お水が垂れたりなどするので、一階の店舗でしたらそんなに被害は少ないかもしれませんがビルに入るテナントであれば、漏水が起きれば大きな損害を生んでしまいます。もちろん、1階の店舗でも防水工事を行います。
防水工事はまず、厨房内をブロック等で区画し、左官でならしていきます。ある程度、土間コンクリートで平らにしたら、その上から防止工事を行なっていきます。この後に、水張り試験といって、排水溝を塞いで、水を張って24時間くらい放置して、水位が変わってなければ漏水していないと言う判断をする試験を行ったりもします。
防水工事が終わって、メッシュを引いたりしてコンクリート打設します。
この流れが厨房内の床の流れになります。この後、給排水工事や電気配線工事や大工工事で棚を作ったりします。
そして、工事の最後の方に、厨房機器を接続や電気の機器設置などが行われたりしていきます。
飲食店の使う油の量にもよりますがグリストラップの設置も必要です。
床工事・天井〜個室作りための間仕切り工事
厨房内工事と並行して進められますが、床工事が行われます。先行配管や排水を通すために床の高さを上げたりします。ここでお店に床にスロープをつけたり、小上がりを作ったりしていきます。
工程にもよりますし、デザインにもよりますが、天井が先に作ったりする場合もあります。
最近の流行りですと、あえて床をスケルトンの状態で、防塵クリアなど保護材だけ塗るケースもあります。天井は剥き出しで、電気配線もあえて見せるのが無機質でオシャレだったりします。
また個室やVIPルームを作る飲食店も多いので、床や天井ができたら間仕切り工事を行なっていきます。設計にもよりますが、防火や防音のために石膏ボードを2枚貼りにしたりします。
また、壁に釣り棚を設置するために、壁面に木板を仕込み補強を入れたりします。やはり補強がないと壁に何かを設置することができません。なのでこういった面ではスケルトンの方が自由度が高いです。
空調工事・換気工事
飲食店の一つの特徴として、換気工事が重要になってきます。
工事に入る前の現場調査で特にチェックして計画立てなければならないことの一つかもしれません。
飲食店は火の取り扱いが多く、その分排出される煙の量も多いです。
そのため、換気システムをしっかりしなければなりません。最後に書きますが、飲食店は消防検査を受けて合格しなければ、営業ができません。細かくは次回の記事で書かせて頂きますが、調理を行う火元からレンジフードを1mは離さなければならないとか、様々な決まりがあるので、現調時に天高等を計測し、換気ルートを計画します。
また、客席も人が多くなると暑くなるので、空調は完備しなければなりません。
もちろん厨房も暑くなりやすいので、適切な工事が必要です。
大工造作工事〜内装仕上げ工事
いわゆる下地工事が終わると大工による造作工事が始まります。もちろん下地工事も大工がやりますが、ここから更に大工さんが活躍していきます。
BARのようなお店ならカウンターを設置したり、またグラスを置いたりする棚を作ったりします。
壁面の飾りやソファ席等の区画も大工工事になってます。
塗装・クロス・床貼り・シート工事等
大工工事・塗装工事を終えると、いよいよ内装仕上げ工事に入っていきます。
壁紙(クロス)や床材が貼られていきます。
ここで一気にお店のイメージができてくると思います。
床材はフローリング等だと大工さんが施工しますが、
タイルカーペットや塩ビタイル・クッションフロアなどは床専門の業者さんに依頼します。
また、タイルなどの石の場合は専門業者さんに依頼します。
飲食店は塗装で仕上げられるケースも多いですが、クロスも様々な種類があるのでお店の雰囲気に合わせた壁紙を選定することができます。
厨房機器・家具・トイレ・照明器具の設置
内装仕上げ工事が終わると、厨房機器や家具・トイレ等や照明器具の設置になります。
家大きなテーブル等は一枚板の板を購入して、大工さんが現場にて脚をつけるケースもあります。
既製品を発注してケースもあります。
完工〜消防検査
器具類が設置されたら、厨房機器や照明等の動作確認を行なっていきます。
問題がなければクリーニングをして工事は完了となります。
この完了日に合わせて消防検査の予約を入れておくとスムーズです。こちらは工務店等が代理で予約を入れてくれます。基本的に消防検査は工務店は立ち合いますが、工事が完了していることが前提になります。工具等やゴミがあると最悪検査してくれない可能性があります。
この検査で指摘箇所があってた是正して、報告しなければなりません。
無事に合格がもらえてら、お店の営業ができます。
お客さんの方では各所行政機関に行って、営業許可証をとりに行ったりなどする必要があります。
終わりに
このような流れで飲食店の工事が進んでいきます。少し大まかな説明になりましたが、業態や仕上がりやレイアウトによって工事の進め方は多岐に渡ると思います。イレギュラーなケースも沢山あると思います。
今回は飲食店工事の流れについてご紹介させて頂きました。
ご参考になりましたら幸いです。
最初の方にも書きましたが、やはりお客様の夢でもあるご自身のお店や企業として力を入れていきたいお店を作るにあたって、工務店や設計会社と施主様のコミュニケーションやコンセプトの共有は必要不可欠だと思います。また実際に工事を行う職人さんとの連携が必要です。
ご自身の思いを一緒にカタチにしていくパートナーとして、弊社もお力添えできたらと思います。
ぜひ、飲食店工事がございましたらT&D工務店にお声かけください。