検査済証がないビルの耐震補強とエレベーター増設事例 - T&D工務店

検査済証がないビルの耐震補強とエレベーター増設事例

【はじめに】本記事では、T&Dが過去に実際に担当させていただいた築50年・検査済証がないビルにおけるエレベーター設置工事の事例をご紹介いたします。他社で「検査済証がないため工事ができない」と断られた方や、解体・建て替えの高額な費用でお悩みの方に向けて、計画段階での具体的な選択肢や判断ポイントを解説します。

「所有しているビルにエレベーターを設置したいが、検査済証がないため断られた」「建て替えるしかないと言われたが、予算的に厳しい」
古いビルを所有するオーナー様にとって、建物の老朽化対策やバリアフリー化は重要な課題です。特に築40〜50年が経過した建物では、当時の公的検査体制の影響もあり、検査済証が存在しないケースが半数以上を占めています。
今回は、都内の駅徒歩1〜2分という好立地にある、「昭和48年築・地下1階地上6階建ての店舗兼住居ビル(鉄骨造・延床面積210.9㎡)」の事例をもとに、検査済証がない状態から法適合化(ガイドライン調査)を行い、業務用エレベーターを設置した手順と判断基準を解説します。

エレベーター設置の検討と「検査済証がない」の発覚

今回のビルは、昭和48年(旧耐震基準)に建てられた6階建ての鉄骨造です。1階で店舗を営業され、上層階をご自宅として使用されていました。
上階への移動が階段のみであったため、今後の生活や建物継承を見据えてエレベーターの設置をご検討されたのがきっかけです。

「台帳記載事項証明書」による事前確認
工事計画にあたり、管轄役所の建築指導課で「台帳記載事項証明書」を取得し、公的履歴を確認しました。確認申請の記録はあるものの、完了検査の記録がなく、公的な検査済証が交付されていないことが判明しました。
エレベーター増設などの確認申請手続きでは、原則として検査済証が必要となるため、一般的なリフォーム会社や工務店ではこの段階で対応不可と判断されるケースが多く見られます。

「建て替え」ではなく「ガイドライン調査+改修」を選択した理由

当初、他社からは「建物の建て替え」を提案されていましたが、以下の課題がありました。
1.セットバックによる有効面積の減少:現行の建築基準法に合わせて建て替える場合、道路斜線制限やセットバックにより、既存よりも建物の有効面積が狭くなる可能性がありました。
2.狭小地・隣接条件による解体費用の高騰:両隣の建物と隣接している都市部の狭小地であったため、重機の搬入が難しく、解体費用や近隣対策費が高額になる見込みでした。

ガイドライン調査を活用した費用シミュレーション
そこで弊社では、国土交通省のガイドライン調査(法適合状況調査)を行い、現行法への適正化および耐震補強工事を実施しながらエレベーターを後付けするプランをご提案しました。
解体・新築を行う場合に比べて、既存の構造躯体を活かすことで総工費を大幅に抑えることが可能です。また、旧耐震の構造を補強し適法化することで、建物の安全性と資産価値を高められるため、改修プランを採用されることになりました。

「ホームエレベーター」と「業務用エレベーター」の法的違いと選定理由

エレベーター選定にあたり、「ホームエレベーター」と「業務用(常用)エレベーター」のどちらを採用するかという検討を行いました。
ホームエレベーターは機器本体や工事費を抑えやすい利点がありますが、用途面で法的な制限が存在します。
将来の用途変更に関する法規制
ホームエレベーターは個人住宅での利用を前提とした建築基準法の特例に基づいています。そのため、将来的に上層階や1階店舗を第三者に賃貸し、オフィスや店舗、不特定多数が利用する施設へと用途変更を行う場合、ホームエレベーターでは運用が認められない場合があります。
将来的なビルの賃貸・事業活用やご家族への引き継ぎを視野に入れ、初期費用は高くなるものの、将来の用途制限を受けない「業務用エレベーター」を設置する判断をされました。

検査済証がない建物であっても、ガイドライン調査を活用して適切な補強および是正計画を立てることで、建物を壊さずにエレベーターを増設することが可能です。
なお、計画確定後の実際の施工プロセスでは、内装解体時のアスベスト(石綿)対策、鉄骨溶接部の超音波探傷試験、指定確認検査機関との協議など、専門的な実務対応が必要となります。
次回の記事では、これらの現地調査・補強工事における具体的な実務とポイントについて解説いたします。

【検査済証がない建物の工事・エレベーター設置のご相談はT&Dへ】

他社で断られた案件につきましても、現地調査やお見積りを無料で承っております。お気軽にお問い合わせください。

【検査済証なしの是正・改修をご検討の方へ】

ガイドライン調査を活用した法適合化から、既存建物の構造補強、各種建築工事・確認申請まで自社一貫で最短ルートをご提示いたします。概算費用やスケジュールの目安など、下記よりお気軽にご相談ください。

【ホームエレベーター設置をご検討の方へ】

設置スペースの確保から、柱や梁の構造補強、内装復旧・確認申請まで、住宅を熟知した工務店ならではの最適プランをご提案いたします。概算費用やご自宅への設置可否など、下記よりお気軽にご相談ください。

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