焼肉屋・イタリアン・中華料理・和食・フレンチ・ラーメン・ハンバーガー・BARなど、飲食店と言っても様々な種類があると思います。今回は飲食店を開業をする際に、開店工事を行うにあたってどんな点に注意すべきかをご紹介していきたいと思います。
目次
重飲食?軽飲食?お店のジャンルを決める
飲食店にも大きく分けて、重飲食店と軽飲食店があります。
主に飲食業の「調理の度合い・業態」の事を指しています。
ざっくり言いますと、使用する火の量や油の量、匂いや煙による給排気の必要性などといった違いがあります。不動産でテナントを探す際に、「重飲食可」「軽飲食可」などの項目をチェックして選ばなければなりません。
重飲食
厨房を備えて火を扱い、本格的な調理を行う飲食業種。軽飲食よりも、ガス、電気、給排気、のあらゆる点において、多くの設備容量を必要とします。グリストラップ等も必要になります。
例)飲食業種の大半(ラーメン・焼肉屋・イタリアン・中華料理・和食・フレンチンなど)
軽飲食
本格的な調理を行わず、お酒や珈琲やジュースなどの飲み物を主として提供することを目的とした飲食業種。最近では、テイクアウト専門店のジュースやアイスクリームのお店やが増えてる中で乾き物やサンドウィッチ等の軽食、温めるだけで提供できるものを取り扱う事が多い。
例)(カフェ、バー、スナック、タピオカ、アイスクリーム屋など)
スケルトン物件と居抜き物件のどちらが良いか?
居抜き物件とは
居抜き物件とは、全オーナーが退去する時にテナントの内装や設備、備品などをそのまま残している物件です。
居抜き物件のメリットとデメリット
メリット
- 内装工事や設備設置、厨房機器や備品などがすでに揃っているため、譲り受け、そのまま使うことができる。
- 新たな工事や購入を行う必要が少なく、出店にかかるコストや開店までの時間を大幅に短縮することができる。
デメリット
- デザインやレイアウトを変えられる範囲が少なく、また、内装や設備等が老朽化や故障しやすい可能性があるので、かえって費用が掛かるケースもある。
- オープンしたいお店のコンセプトに合わせて工事する場合は、既存の解体工事も伴う為、スケルトン状態より費用と手間がかかってしまうケースがある。
- お店の形態が違うと使い勝手の悪さもある。
- 退去時にスケルトン状態への原状回復の義務がある可能性がある。
スケルトン物件とは
スケルトン物件とは、テナントの内装や設備をすべて取り除いて、建物の骨組み躯体だけになっている状態の物件です。RC造であれば「コンクリート打ちっぱなし」の状態です。
大半の「スケルトン 原状回復」された状態です。
スケルトン物件のメリットとデメリット
メリット
- お店のレイアウトを一から自分の好きな形に作っていける。
- 自分が使いやすいようにデザインも決められる。
- 什器や備品も自由に決められる。
デメリット
- 居抜き物件と比べると、内装工事や設備工事、什器や備品の準備に費用と時間がかかってしまう
- テナント契約をしても、まずは店内をつくり始めるところからスタートするため、
開業までに時間がかかってしまう。 - 工事が終わるまでお店をオープンすることが出来ない。
開店までの工事の流れ
1.出店したいテナントを見つける
まずは不動産会社に行って出店したいお店を決めましょう。また、飲食店として営業が可能か確認しましょう。(軽飲食のみ可の場合も)
場合によっては、施工会社や設計事務所が一緒に探してくれたり、内覧に付き添ってくれるケースも有ります。
2.施工会社・設計事務所を決める
出店したいテナントが決まったら施工会社・設計事務所にお問合せをしましょう。
設計と施工の両方とも行う、設計施工会社もあります。
設計事務所は施工は行いませんが、設計した案件に関しては施工会社の紹介や選定をしてくれます。
3.現地調査
施工会社及び設計事務所と一緒に現地調査を行います。
この調査をもとに、見積もり依頼・図面の作成依頼をします。
規模や内容によりますが早くて1週間〜1・2ヶ月で返答いただけると思います。
4.工事開始
各種手続き等が終わりましたら、いよいよ工事が始まります。
(工事の種類はまた別の記事で詳しく書きます)
5.工事完了
厨房機器等の動作等問題なかったら工事終了です。
6.保健所・消防署の検査
工事が完了しましたら、保健所と消防署の検査を受けます。お店の開店前というよりは、工事完了の2週間以上前には、予約をいれてた方がスムーズに進められると思います。
*検査で指摘箇所がありましたら是正工事を行い報告をします。
7.開店
検査を無事完了したら開店となります。
工期はおおよそ短いもので約1ヶ月〜2ヶ月くらいです。通常2~3か月程度です。
*居ぬき物件等で工事内容が少ない場合は1~2週間などでも可能かもしれません。
物件の現調時の注意すべき点
施工会社と現調時に一緒に注意して確認すべき点を解説します。
デザインやレイアウトに影響が出やすいので注意しましょう。
ガス管および給排水・電気線の位置
飲食店にとって必要不可欠なガス管・給排水管・電気線(分電盤等)の位置を確認しておきましょう。
工事の開始と共に、最初に行うのは先行配管・先行配線です。天井・壁・床下に埋まってしまうものなので、必要に応じて増やしたり、移動させたりしますので、事前に位置を確認しておきましょう。
*こちらに関しては専門的な知識や経験が必要となりますので、施工会社、設備屋さん等によく見てもらう必要があります。
ビル等の電気やガスの容量を確認する
テナント・ビルの場合は電気やガスの最大容量が決まっている場合があります。
工事に入る前に容量を事前に確認しておく必要があります。しっかり確認しておかないと、
最悪、購入した厨房機器や手持ちの物を、容量内で使用可能なものに交換しなければならないケースもあります。既存の容量に対して、今回予定している内容が足りるかどうかもありますが、既存の容量から、工事で容量を増やせるのかどうかという判断も必要になります(容量を増やす工事は別途費用が掛かります)こちらも専門的な知識や経験だけでなく、建物の管理会社やオーナー様からの情報提供やご協力も必要となります。
天井の高さ・躯体の本数・梁・スリーブの位置の確認
現調時には、床から天井の高さも測っておきましょう。設置できる家具の高さだったり、またそれを搬入可能かどうかに関わってきます。
また、厨房内に関しては、天井に設置する換気設備(ダクト等)と調理する火元の距離が1m取れていることが望ましく、この距離が近すぎると建築基準法に引っかかるケースもあります。
躯体の本数や位置や梁の位置と本数、それに準じて梁までの床からの高さもチェックしましょう。
スリーブの穴に配管を通せるかなどもレイアウトに影響してきます。また、その配管を通る穴が外壁にどこに開いてるかも大切です。
最悪の場合は、梁に穴を開ける際は建物のオーナーさんの許可が必要になってきます。
鋼製建具の枚数
鋼製建具は新しく付け替えたり、追加で設置するケースがあります。
制作期間に時間がかかるので早めに計画しましょう。
工事規制の有無
工事を行うビルやテナントにに工事規制がないかチェックしましょう。
(例)
・音出し工事が騒音になるため、土日しか工事が行えない。
・他のテナントが営業中のため、夜間工事しか行えない。
・建物のルールによりエレベーター・通路を完全養生&撤去。
こういった規制があると、日中に工事を行うより工期と費用が必要になってきます。
養生に関しては基本的に行いますが、工事期間中は養生したままで良いと許可がもらえると比較的に工事がスムーズに進みますが、毎回撤去となるとコストと時間はかかってしまいます。
繁華街ですと、搬入搬出も手間がかかってきたりするので、事前に知れる情報は工務店と共有すると良いと思います。
施工会社の選び方
施工会社を選ぶ際に気をつけなければならないのは、飲食店の施工実績があるかどうかが大切です。
いうならば、自分が出したいお店のジャンルの施工経験があるかも重要です。
飲食店と言っても、焼肉屋とラーメン屋では必要な設備が違うので、そう言った点でもHP等で対象となるジャンルの経験があるかを確認する必要があります。
飲食店工事はT&D工務店へ
弊社は飲食店工事の多数実績があります。特にダイニングバーや焼肉屋などの重飲食から、BARやパン屋などの軽飲食など幅広くご対応可能です。
また、弊社は設計と施工を自社で行う設計施工が可能なので、お客様の理想なお店づくりのプランニングをさせていただきます。また何かお悩み事がございましたらお気軽にご相談ください。
弊社施工事例
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