「所有しているビルにエレベーターを後付けしたい」「店舗を増築したい」といった際に、役所や設計事務所、施工会社から「検査済証がないから、工事はできません」と断られ、工事に取りかかれないという話をよく耳にします。
今まさにこの問題に直面し、「早く工事を進めたいのに、どうすればいいかわからない」とお急ぎのオーナー様や企業様も多いかと思います。しかし、他社で断られた案件であっても、そこで工事の計画自体を諦める必要はありません。
国土交通省が定めた「ガイドライン調査(法適合状況調査)」を活用することで、建物の安全性を公的に証明し、確認申請を通過させて本来やりたかった工事を実現できるようになります。今回はこの「検査済証がない建物で工事を可能にするステップ」の最初の難関となる、ガイドライン調査の具体的な中身について、わかりやすく解説します。専門的な手続きはすべて弊社が一気通貫で代行いたしますので、「どのような手続きで適正化されていくのか」という全体像を掴むためにお役立てください。

ガイドライン調査(法適合状況調査)の2つの柱
この調査は、一言で言えば「今の建物が、法律や安全基準をちゃんとクリアしているか」を調べるプロセスです。大きく分けて「意匠調査」と「躯体調査」の2つを行います。多くの設計事務所や工務店が検査済証のない建物の工事を断る理由は、この2つの調査が非常に特殊であり、行政や検査機関と折衝するノウハウを持っていないためです。弊社ではこの難関プロセスを熟知しております。
1.意匠調査:書類と目視のチェック
意匠調査とは、その建物が「建築された当時の法律(建築基準法や関係法令、消防法など)」に適合しているかを確認する調査です。例えば昭和48年に建てられた建物であれば、昭和48年当時の法律基準に遡って、建物の配置や窓の位置、避難経路などを一つひとつチェックしていきます。
もし、建築当時の図面(竣工図)が残っていない場合は、現地で採寸を行い、図面を復元(現況図面の作成)するところからスタートします。古い建物では基礎や地中など目に見えない部分の図面が一切残っていないことも珍しくありませんが、これまでの経験をもとに図面を一から作成します。
図面などの資料が揃った後、国の指定を受けた「指定確認検査機関」の検査員が実際に現地を訪れ、図面通りに建っているかを目視でチェックします。目視で確認できる範囲での調査となるため、この段階では壁を壊すような大掛かりなことはしません。この調査によって「当時の法律に適合していない箇所(後で直すべき箇所)」を正確に洗い出します。
なぜ意匠調査が必要なのかというと、建物を建てた当時の法律ルールを満たしていることが客観的に証明できなければ、エレベーター設置や増築に向けた確認申請にすら辿り着けないからです。
2.躯体調査(構造調査):構造の健康診断
意匠調査に対して、建物の骨組み(躯体)そのものが「現行の安全基準」を満たしているかを調べる、より専門的で物理的な調査が「躯体調査」です。
建物の内部は目視だけではわからないため、専門の調査会社が入り、内装(石膏ボードなどの仕上げ材)を一部剥がして建物の「中身」を調べる破壊検査を行います。もちろん建物全体を壊すわけにはいかないため、構造設計士や検査機関と協議の上、調査する「サンプル箇所」を絞り込んで慎重に行います。
建物の構造に合わせて、以下のようなかなり本格的な調査が行われます。
・RC造(鉄筋コンクリート造):コンクリートの一部を円柱状にくり抜く「コア抜き試験」を行い、専用の検査機関に送って強度を正確に分析します。また、建物全体に沈み(不同沈下)が発生していないか等も調べます。
・鉄骨造:鉄骨の寸法を実測するほか、専用の機械で超音波を当てて、柱と梁の接合部分などに「溶接不良(傷)」がないかを調べる「超音波探傷試験」などを行います。
・木造:打診棒やテストハンマーで木材の腐食や空洞がないか叩いて確認したり、壁を一部開口して筋交い(補強材)や接合金物が正しく使われているかを確かめたりします。
これらの専門的な調査で得られたデータをもとに構造設計士が診断を行います。古い建物の場合、図面上の計算では問題なくても実際の経年劣化によって構造的なリスクを抱えているケースがあるため、この躯体調査で「本当の健康状態」を物理的に証明することが極めて重要です。十分な強度があればそのままで問題ありませんし、もし強度が不足している部分があれば、それを補強するための計画を立てていくことになります。
調査費用の目安について
これから計画を進める上で、お客様が一番気になるのが費用かと思います。ガイドライン調査にかかる費用自体は、建物の規模(延床面積)や構造(RC造か鉄骨造かなど)、そして図面がどれくらい残っているかによって大きく変わりますが、事前にある程度の目安を算出することができます。まずは、ご自身の建物が今どのような状態にあるのかを正確に把握することが、計画を前に進めるための第一歩となります。※あくまでも調査までで、調査により判明した要是正項目を適正化する工事の費用は含まれません
設計から施工までを一気通貫で行うことで、早期の見積もり提出・費用削減が可能です。他社で断られてしまった案件でも、まずはお気軽にご相談ください。現地調査・お見積りは無料で承ります。
